助成先団体・ちょこっと訪問レポート
桐生市医師会の「在宅医療介護連携センターきりゅう」が中心となって、桐生・みどり地区の「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)の普及啓発を出前講座形式で行っています。共同募金の助成事業で、出前講座講師などACP普及発の担い手を育成するしくみを試行しています。
3カ年計画で取り組む事業の3年目の第1回ワーキング会議に『ちょこっと参加』してきました。
助成概要
- 助成先団体:一般社団法人桐生市医師会(桐生市)
- 助成事業名:アドバンス・ケア・プランニング理解促進とエンディングノート普及事業
- 過去の記事:【助成担当レポート】最期まで自分らしく生き抜く権利を支える
会議にちょこっと参加
ACPワーキンググループは、桐生市・みどり市の在宅医療介護を担うさまざまな事業所の専門職有志10数名で構成されています。どのメンバーもACPに関心があって自主的に参加なさっています。
※ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは…
もしもの時のために、その人が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療ケアチームと繰り返し話し合い共有する取り組み。「人生会議」ともいいます。
→厚生労働省「『人生会議』しみてみませんか」
◎講師育成について
出前講座の回数も増えてきているため、講師等担い手の育成が急務です。
会議では、内容の工夫など柔軟な対応ができる講師の育成について、積極的に意見交換がなされました。
講師養成プロセスとして、ACPに関連する各種専門研修(エンドオブライフ・ケア援助者養成講座、終活カウンセラーなど)を受けることを想定していますが、知識だけでなく、講師の現場経験をいかに重ねていくか、不安と期待が入り交じりながら本音ベースで議論されました。
講師養成のしくみをつくりあげていくためには、この不安を乗り越えなければなりません。
実際の出前講座でOJT的に体験する案や、先輩講師の講座の様子を動画で撮影して学ぶ案など、さまざまな意見が出ました。
出前講座用のモデルスライドを作成した松山さんは、次のように語ります。
「講師というより、市民のみなさんがACPを前向きに考えるきっかけを作るための“話題提供者”、でいいと思う。」
「誰でも、もしも病気になったら、家族や自分は…と考えることがあるでしょう。それがACPで、何も特別なことじゃない、と気づいてもらうことが大切。」
◎ピンバッジに思いを込めて伝える
今後、講師となってACP啓発普及に協力くださる専門職の方々に「特製ピンバッジ」を配付する予定で、今回の会議でその完成品が配られました。
このデザインを手がけたのは、ワーキングメンバーの斉藤さんです。
エンディングノートの表紙を飾るひまわりをモチーフに、ACPを広く「伝える」ことをイメージして、ひまわりの花束を「渡す」表現にしたかったとのことです。
「ACP自体が、大切な人に自分のことを伝えることだから、そのイメージを大切にしたかった」と斉藤さんは語ります。
死を意識してしまいがちなACPですが、最期まで「自分らしく生き抜くこと」の大切さが、このイラストとともに温かく伝わっていくといいな、と思いました。
一人ひとりが自分の人生(=生きること)を大切にすることで自尊心が高まり、そして互いを尊重し合える社会になる。
ACPが広まることの本当の成果が得られるのは10年先か、もっと先か…。だからこそ、取り組みを続けるためのしくみづくりをこの3年間で試行しているとのことです。
先を見据えて今動き出す、そんな活動を、共同募金はこれからも応援していきます。
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